# MediCue ビジネスモデル

## 1. ビジネスモデルの前提

MediCueは、個人クリニックの予約受付から来院準備までを一体化する予約管理SaaSである。

主な提供価値は、受付業務の電話対応負荷を下げ、患者へのリマインドを自動化し、事前問診を診療前に回収することである。

対象顧客は、予約管理、キャンセル対応、問診回収に課題を持つ個人クリニックの院長および受付責任者である。

特に、受付スタッフが少人数で、電話・紙・口頭確認に依存している診療所を主要ターゲットとする。

診療科は、内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、婦人科、整形外科など、予約と問診の頻度が高い科目を想定する。

MediCueは、電子カルテそのものを置き換える製品ではない。

電子カルテやレセコンの前段にある、予約、来院準備、患者連絡の運用を整える業務支援レイヤーとして位置付ける。

この位置付けにより、導入時の心理的ハードルを抑え、既存システムを大きく変えずに始められることを重視する。

収益は、月額利用料を中心としたサブスクリプションで構成する。

初期設定支援、テンプレート作成、追加メッセージ配信、オプション機能により、補助的な売上を積み上げる。

## 2. 提供価値

MediCueが解決する課題は、個人クリニックにおける「予約前後の細かな手作業」である。

受付では、予約電話、予約変更、キャンセル連絡、患者からの確認対応が日常的に発生する。

看護師や医師は、診療直前になって初めて問診情報を確認することが多く、診療前準備が後手に回りやすい。

患者側も、予約日時、持ち物、来院前の注意事項を忘れやすく、確認電話や無断キャンセルにつながる。

MediCueはこれらを、予約導線、リマインド、事前問診、キャンセル対策として一つの運用にまとめる。

受付スタッフは、予約状況と患者の事前回答を同じ画面で確認できる。

患者は、スマートフォンから予約確認、問診回答、来院前案内の確認を行える。

院長は、キャンセル率、予約枠の稼働、問診回収率などを把握し、運用改善の材料を得られる。

本製品は、患者体験を過度に高度化することよりも、日々の医療現場で継続的に使える簡潔さを重視する。

## 3. 収益構造

MediCueの基本収益は、クリニック単位の月額課金である。

月額課金は、予約件数、利用スタッフ数、利用機能の範囲に応じて段階化する。

個人クリニックは予算決裁が比較的速い一方で、固定費増加には慎重である。

そのため、価格は「受付業務の削減効果が想像しやすい金額帯」に設定する。

主要な収益源は、月額SaaS利用料である。

補助的な収益源は、初期設定費用である。

追加収益源は、SMS配信料やLINE連携などの従量課金である。

将来的な収益源として、複数院展開向けの管理機能、専門診療科別テンプレート、外部システム連携を想定する。

初年度は、月額利用料を中心にMRRを積み上げる。

2年目以降は、解約率を抑えながらアップセル率を高める。

単価の引き上げは、単純な値上げではなく、予約枠最適化や分析機能など、院長が経営改善を実感しやすい機能の提供に紐付ける。

初期設定費用は、導入時の運用設計や問診テンプレート作成に対する対価として設定する。

ただし、初期費用が導入障壁になる顧客には、キャンペーンや年間契約での免除も検討する。

従量課金は、SMSなど外部原価が発生する機能に限定する。

過度な従量課金はクリニックの予算予見性を下げるため、基本機能は月額内に含める。

## 4. 価格設計

価格設計は、個人クリニックが導入判断しやすい3 tier構成とする。

各プランは、利用規模と運用成熟度に応じて選択できるようにする。

価格は合理的推定であり、実際の市場調査、競合価格、顧客ヒアリングにより検証が必要である。[要検証]

### 4.1 Starter

Starterは、小規模クリニックが予約管理のデジタル化を始めるためのプランである。

想定月額は、1院あたり月額12,000円である。[要検証]

対象は、医師1名、受付1から2名程度の単院クリニックである。[要検証]

含まれる機能は、Web予約、予約一覧、メールリマインド、基本的な事前問診である。

予約件数の目安は、月間300件までとする。[要検証]

スタッフアカウントは、3名までを想定する。[要検証]

導入目的は、電話予約の一部削減と予約台帳の整理である。

価格を抑えることで、紙台帳や無料カレンダーからの移行を促す。

ただし、SMS配信や高度なキャンセル対策は上位プランに含める。

### 4.2 Standard

Standardは、MediCueの主力プランである。

想定月額は、1院あたり月額28,000円である。[要検証]

対象は、予約件数が多く、受付業務の効率化効果を明確に見込める個人クリニックである。

含まれる機能は、Starterの機能に加え、SMSリマインド、問診テンプレート、キャンセル待ち通知、簡易レポートである。

予約件数の目安は、月間1,000件までとする。[要検証]

スタッフアカウントは、8名までを想定する。[要検証]

キャンセル率、問診回収率、予約枠稼働率の簡易分析を提供する。

受付責任者が日次で確認しやすいダッシュボードを含める。

最も販売しやすいプランとして、営業資料やデモの中心に置く。

### 4.3 Professional

Professionalは、運用改善を重視する高稼働クリニック向けの上位プランである。

想定月額は、1院あたり月額58,000円である。[要検証]

対象は、複数診察室、複数医師、または日次予約数が多いクリニックである。

含まれる機能は、Standardの機能に加え、複数診療科管理、詳細分析、優先サポート、外部連携の拡張枠である。

予約件数の目安は、月間3,000件までとする。[要検証]

スタッフアカウントは、20名までを想定する。[要検証]

専門診療科別の問診テンプレートや来院前案内の管理を強化する。

外部システム連携は、電子カルテ連携を前提とせず、CSV出力やAPI連携から段階的に提供する。

高単価プランであるため、導入支援と運用定着支援をセットで提案する。

## 5. 初期費用とオプション

初期設定費用は、Starterで30,000円、Standardで80,000円、Professionalで150,000円を想定する。[要検証]

初期費用には、予約枠設計、診療メニュー設定、問診テンプレート初期作成、スタッフ向け説明を含める。

導入初月の離脱を防ぐため、初期設定は単なるシステム設定ではなく、運用設計支援として提供する。

SMS配信は、1通あたり10円から15円程度の従量課金を想定する。[要検証]

LINE連携は、月額5,000円から10,000円程度のオプションを想定する。[要検証]

追加問診テンプレート作成は、1テンプレートあたり10,000円から30,000円程度を想定する。[要検証]

データ移行支援は、内容に応じて個別見積もりとする。

将来的には、オンライン決済、予約枠最適化、患者セグメント別リマインドなどを有料オプションとして検討する。

ただし、医療現場の運用負荷を増やす機能は慎重に扱う。

## 6. 獲得戦略

獲得戦略は、直接営業、紹介、コンテンツマーケティング、業界パートナー連携を組み合わせる。

個人クリニック向けSaaSでは、院長の信頼形成と導入後の安心感が重要である。

そのため、単純な広告獲得だけに依存せず、実際の運用課題に沿った提案を行う。

初期フェーズでは、診療科を絞ったアウトバウンド営業を行う。

対象は、予約制を採用しているが、予約受付や問診回収が手作業中心のクリニックである。

営業リストは、地域、診療科、Web予約導線の有無、診療時間、口コミ上の待ち時間言及などをもとに作成する。[要検証]

初回接点では、製品機能の説明よりも、受付業務の負担とキャンセル対応の改善余地を確認する。

デモでは、患者予約、リマインド、事前問診、受付確認までの一連の流れを短時間で見せる。

導入判断者が院長である場合は、業務削減効果と予約枠稼働の改善を中心に説明する。

受付責任者が導入推進者である場合は、日々の確認作業が減る点と患者対応が標準化される点を中心に説明する。

紹介施策として、既存顧客から同じ地域や同じ診療科のクリニックを紹介してもらう。

紹介インセンティブは、月額利用料の1か月分割引、またはオプション無料提供を想定する。[要検証]

コンテンツマーケティングでは、クリニック受付業務の効率化、無断キャンセル対策、事前問診の運用設計に関する記事を作成する。

検索流入だけでなく、営業時の信頼形成資料としても活用する。

業界パートナーとして、医療機器販売会社、ホームページ制作会社、地域の医療経営支援会社との連携を検討する。

これらのパートナーは既にクリニックとの接点を持つため、信頼の獲得コストを下げられる可能性がある。

ただし、紹介手数料や販売管理の複雑化により利益率が下がる可能性もあるため、パートナー施策は段階的に検証する。

## 7. CAC

CACは、顧客1院を獲得するために必要な営業・マーケティング費用である。

初期フェーズの想定CACは、1院あたり120,000円から250,000円とする。[要検証]

この範囲には、営業担当者の人件費、広告費、デモ準備、商談管理、導入前ヒアリングの工数を含める。[要検証]

アウトバウンド営業中心の場合、商談化率は5%から10%程度を想定する。[要検証]

商談から成約までの成約率は20%から35%程度を想定する。[要検証]

リードから成約までの期間は、2週間から2か月程度を想定する。[要検証]

院長決裁が中心のため、大企業向けSaaSより販売サイクルは短い可能性がある。

一方で、医療現場は日常業務が忙しく、商談日程や導入日程が後ろ倒しになる可能性もある。

CACを下げるためには、診療科別のデモシナリオ、導入事例、テンプレートを整備することが重要である。

特に、受付業務の削減時間を具体的に示す資料は、成約率向上に寄与する可能性がある。[要検証]

広告経由リードは獲得単価が安く見える場合でも、導入意欲が低い可能性がある。

そのため、初期段階では量よりも診療科と課題の一致度を重視する。

紹介経由のCACは、1院あたり50,000円から100,000円程度まで下げられる可能性がある。[要検証]

ただし、紹介経由は再現性のある獲得チャネルになるまで時間がかかる。

CACの管理指標として、リード単価、商談化率、成約率、平均営業工数、初期設定工数を追跡する。

## 8. LTV

LTVは、顧客1院が契約期間中にもたらす粗利益の総額である。

Standardプランを中心顧客とした場合、平均月額単価は28,000円から35,000円を想定する。[要検証]

オプションや従量課金を含めたARPAは、月額35,000円程度を想定する。[要検証]

粗利率は、SaaS利用料部分で75%から85%程度を想定する。[要検証]

SMSなど従量課金部分は外部原価があるため、粗利率は低めに見積もる。

年間解約率は、初期フェーズで12%から20%程度を想定する。[要検証]

運用に定着した後は、年間解約率を8%から12%程度まで下げることを目標とする。[要検証]

平均継続期間を4年と仮定した場合、売上ベースLTVは約1,680,000円である。[要検証]

計算式は、月額35,000円 × 12か月 × 4年である。[要検証]

粗利益ベースLTVは、粗利率80%と仮定して約1,344,000円である。[要検証]

このLTVを維持するためには、導入後3か月の運用定着が最重要である。

特に、問診テンプレートが実際の診療フローに合わない場合、利用頻度が下がる可能性がある。

そのため、オンボーディングでは、受付スタッフと看護師の双方に利用手順を確認してもらう。

アップセルの余地は、SMS配信、キャンセル待ち運用、詳細分析、外部連携にある。

ただし、アップセルは現場の負担増加ではなく、運用改善の結果として自然に提案する必要がある。

LTV向上の主要施策は、解約率低下、ARPA向上、紹介獲得の促進である。

## 9. ユニットエコノミクス

MediCueのユニットエコノミクスは、CAC回収期間とLTV/CACを中心に評価する。

基準ケースでは、CACを180,000円、月額ARPAを35,000円、粗利率を80%と仮定する。[要検証]

この場合、月次粗利益は28,000円である。[要検証]

CAC回収期間は、約6.4か月である。[要検証]

計算式は、CAC 180,000円 ÷ 月次粗利益 28,000円である。[要検証]

LTVを粗利益ベースで1,344,000円とした場合、LTV/CACは約7.5倍である。[要検証]

この水準は、仮定上は健全であるが、実際には営業工数、導入支援工数、サポート負荷を慎重に確認する必要がある。

悲観ケースでは、CACを250,000円、月額ARPAを28,000円、粗利率を75%、平均継続期間を3年と仮定する。[要検証]

この場合、月次粗利益は21,000円である。[要検証]

CAC回収期間は、約11.9か月である。[要検証]

粗利益ベースLTVは、756,000円である。[要検証]

LTV/CACは、約3.0倍である。[要検証]

悲観ケースでも成立余地はあるが、CACが上振れすると収益性が急速に悪化する。

楽観ケースでは、CACを120,000円、月額ARPAを45,000円、粗利率を82%、平均継続期間を5年と仮定する。[要検証]

この場合、月次粗利益は36,900円である。[要検証]

CAC回収期間は、約3.3か月である。[要検証]

粗利益ベースLTVは、2,214,000円である。[要検証]

LTV/CACは、約18.5倍である。[要検証]

ただし、楽観ケースは上位プラン比率と低解約率が前提となるため、初期計画では保守的に扱う。

最初の事業判断では、CAC回収期間12か月以内、LTV/CAC 3倍以上を最低ラインとする。[要検証]

成長投資を強める判断は、3か月以上連続してCAC回収期間が9か月以内に収まることを条件とする。[要検証]

## 10. 競合比較

競合は、既存の診療予約システム、電子カルテ付帯の予約機能、汎用予約サービス、紙台帳と電話運用である。

既存の診療予約システムは、医療特化の安心感と実績が強みである。

一方で、製品によっては機能が多く、個人クリニックには設定や運用が重く感じられる可能性がある。[要検証]

電子カルテ付帯の予約機能は、院内システムとの一体感が強みである。

一方で、患者向けの来院前コミュニケーションや柔軟な問診回収は限定的な場合がある。[要検証]

汎用予約サービスは、価格が低く導入しやすいことが強みである。

一方で、医療特有の問診、キャンセル対策、診療科別運用には対応しにくい可能性がある。[要検証]

紙台帳と電話運用は、追加コストが低く、スタッフが慣れていることが強みである。

一方で、業務が属人化し、リマインドや問診回収の自動化が難しい。

MediCueの差別化は、個人クリニック向けに「予約後の来院準備」までを軽量にまとめる点である。

単なる予約枠管理ではなく、患者の事前回答と来院前案内を診療前の準備に接続する。

また、導入時に診療科別テンプレートを用意することで、初期設定の負担を下げる。

競合に対して、MediCueは大規模病院向けの複雑な運用ではなく、少人数の個人クリニックで継続できる設計を重視する。

価格面では、汎用予約サービスより高く、重厚な医療システムより低い中間価格帯を狙う。

この価格帯では、業務削減効果を明確に説明できなければ導入は進みにくい。

そのため、競合比較では機能数の多さではなく、受付時間削減、キャンセル抑制、問診回収率の改善を訴求する。

## 11. 販売プロセス

販売プロセスは、課題把握、デモ、運用設計、契約、初期設定、定着支援の順に設計する。

初回商談では、現在の予約受付方法、月間予約件数、キャンセル率、問診回収方法を確認する。

次に、MediCueを導入した場合に削減できる業務を、時間と金額に置き換えて説明する。

たとえば、1日30分の電話対応削減が可能であれば、月間約10時間の削減効果として示す。[要検証]

人件費を時給1,500円と仮定すると、月額15,000円相当の業務削減効果となる。[要検証]

さらに、無断キャンセルの減少や問診回収の効率化を加味すると、Standardプランの費用対効果を説明しやすい。

デモでは、患者視点と受付視点を切り替えて見せる。

院長には経営改善の見通しを、受付責任者には日常業務の変化を具体的に示す。

契約後は、初期設定を短期間で完了させ、導入初月に予約、リマインド、問診の主要機能を必ず稼働させる。

すべての機能を一度に使わせるのではなく、最初は予約とリマインドから始め、次に問診、最後にキャンセル待ち運用を広げる。

この段階的導入により、現場の負担を抑えながら定着率を高める。

## 12. 継続利用と解約抑制

継続利用の鍵は、受付業務に自然に組み込まれることである。

ログインしないと価値が出ない分析ツールではなく、毎日の予約確認の中で価値を感じられる設計が必要である。

導入後1か月は、予約管理とリマインドが問題なく運用されているかを確認する。

導入後2か月目は、事前問診の回収率とテンプレートの使いやすさを確認する。

導入後3か月目は、キャンセル率、受付対応時間、患者からの問い合わせ内容を確認する。

この3か月の定着支援により、解約リスクを早期に把握する。

解約理由として想定されるのは、患者が使わない、スタッフが使いこなせない、既存システムとの二重入力が負担になる、費用対効果が見えない、という点である。

患者利用率を上げるため、予約確認画面やリマインド文面はわかりやすくする。

スタッフ定着のため、操作は受付の実務フローに合わせる。

二重入力の負担を下げるため、CSV出力や簡易連携を段階的に提供する。

費用対効果を示すため、月次レポートでは、予約件数、リマインド送信数、問診回収率、キャンセル関連指標を提示する。

## 13. 主要KPI

事業KPIとして、MRR、ARR、ARPA、チャーン率、NRR、CAC、LTV/CAC、CAC回収期間を追跡する。

営業KPIとして、リード数、商談化率、デモ実施率、成約率、平均販売期間を追跡する。

プロダクトKPIとして、予約件数、リマインド送信数、問診回収率、キャンセル率、スタッフログイン頻度を追跡する。

オンボーディングKPIとして、初期設定完了率、初回予約作成までの日数、導入30日後の利用継続率を追跡する。

サポートKPIとして、問い合わせ件数、初回応答時間、解決時間、テンプレート修正依頼数を追跡する。

初期フェーズでは、KPIを増やしすぎず、成約率、初期設定完了率、導入90日後継続率を重視する。

事業が拡大した段階で、NRRや紹介率をより厳密に管理する。

## 14. コスト構造

主要コストは、開発費、クラウドインフラ費、メッセージ配信原価、サポート費、営業人件費である。

クラウドインフラ費は、予約件数と問診データ量に応じて増加する。

SMS配信原価は、利用量に応じて増加するため、従量課金で一定程度吸収する。

サポート費は、導入初期に集中しやすい。

そのため、よくある設定パターンをテンプレート化し、導入支援の標準化を進める。

営業人件費は、CACに大きく影響する。

少人数の営業体制で成果を出すため、診療科別資料、デモ環境、導入事例を整備する。

開発費は、医療向けの信頼性、セキュリティ、監査ログ、権限管理を優先して投資する。

新機能開発は、顧客要望をそのまま積み上げるのではなく、複数クリニックに共通する運用課題に絞る。

## 15. リスクと対応方針

第一のリスクは、医療現場の運用に合わず、導入後に使われなくなることである。

対応策は、導入前ヒアリングと診療科別テンプレートの整備である。

第二のリスクは、既存システムとの二重入力が負担になることである。

対応策は、CSV出力、簡易インポート、API連携などを段階的に提供することである。

第三のリスクは、患者のデジタル利用率が低い診療科や地域で効果が出にくいことである。

対応策は、電話予約との併用、受付代理入力、紙案内との組み合わせを許容することである。

第四のリスクは、競合が類似機能を低価格で提供することである。

対応策は、価格競争ではなく、導入支援、テンプレート、運用定着支援で差別化することである。

第五のリスクは、医療情報を扱うことによるセキュリティ要求の高まりである。

対応策は、権限管理、監査ログ、通信暗号化、データ保管方針、バックアップ体制を早期に整えることである。

## 16. 成長シナリオ

初期フェーズでは、特定診療科に絞って10院から30院の導入を目指す。[要検証]

この段階では、機能拡張よりも、導入理由、利用継続理由、解約理由の把握を優先する。

次のフェーズでは、Standardプランを中心に100院規模まで拡大する。[要検証]

この段階では、営業プロセスとオンボーディングの標準化が重要になる。

さらに、複数診療科や高稼働クリニック向けにProfessionalプランを強化する。

中長期では、地域医療法人や小規模チェーンへの展開も検討する。

ただし、複数院向けに広げる場合でも、MediCueの核は個人クリニックの現場運用をやさしく整えることに置く。

## 17. まとめ

MediCueは、個人クリニックにおける予約受付、リマインド、事前問診、キャンセル対策を一体化するSaaSである。

収益構造は、月額サブスクリプションを中心に、初期設定費用と従量課金を組み合わせる。

価格設計は、Starter、Standard、Professionalの3 tierとし、Standardを主力プランに位置付ける。

獲得戦略は、診療科を絞った直接営業、紹介、コンテンツ、業界パートナー連携を組み合わせる。

CACは初期フェーズで高くなりやすいため、営業資料、デモ、テンプレートの標準化が重要である。

LTVは、導入後3か月の定着支援と解約率低下によって大きく左右される。

ユニットエコノミクスは、基準ケースでは健全な可能性があるが、数値は実顧客データにより継続的に検証する必要がある。

競合に対しては、個人クリニック向けの軽量な運用設計と、来院準備まで含めた業務改善を差別化の中心に置く。

今後の検証では、価格受容性、導入後の利用継続率、問診回収率の改善幅、キャンセル率への影響を重点的に確認する。

過度な機能拡張ではなく、現場で使われ続ける堅実な業務支援SaaSとして成長させることが望ましい。
